鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
恋「他人に自分のことをべらべら話すバカはね、そこまでその人のことを信頼して、絶対に自分を受け止めてもらえると思ってるから話すのよ!
私は未来からあなたとの関係を聞いたわ!
あなた、未来に信頼されるようなことしたの?!」

杏「私も……ううん、私達四人は未来から聞いた!
あなたと未来の婚約について、およそのことはね!
親戚だからじゃない。
李依菜に至っては、未来が自分から言ったし、李依菜はそれを受け止めた。
私達は李依菜より後に聞いたけど、でも未来は自分から私達に言ってくれた!」

『みんな口調が……。』

『うるさい』

『ハイ……。』

……恭夜・未来。

――パチッ

何の前兆もなく、突然未来は目を覚ました。

「………キレたね。」

「キレたな……。」

二人の間に重い空気が流れる。

「別に秀ちゃんを信頼してないわけじゃない。」

沈黙を破ったのは未来だった。
恭夜は顔を上げ、未来の顔を見る。

未来は、泣きそうな……辛そうな顔をしていた。

「ただ……まだ“あの人”を待っていたいの。
居場所をつくっていてあげたいの。」
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