鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*

未来 × ?

『二重人格………?』

皆は完璧なハモりで、信じられないという表情だった。

「……やっぱ、いい。
今のお前らじゃ、“コイツ”は重過ぎる。
お前らは自分のことだけ考えてればいい。
あんまし“ウチ”に関わんない方が身のためだ。」

恭夜は未来の眠るベッドの方へ行った。

「秀麗さんは知ってたんですか?」

来は下を向いたまま呟いた。

「……知らなかった。
それに、俺は未来のことを何も知らない。」

その言葉に、那柚がキレかけた。

「婚約者なんだろ?
知ってて当たり前じゃねぇのかよ?!」

「黙れ!
お前が知ったよーに言うな!!
婚約者だからってなぁ、未来は俺のことなんか何とも思っちゃいねぇんだ!!」

那柚と秀麗の言い合いに、“四人”がキレた。

『静かにしなさい』

『』

来・那柚・秀麗・恭夜(乃谷は帰りました)は、突然の大声に驚きを隠せなかった。
だけど、未来はぴくりとも動かなかった。

李「さっきから聞いてればグチグチグチグチと、どうして自分のことばかりなの?!」

愛「婚約者だから何?
所詮は他人でしょ?!
他人は他人なのよ!」
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