甘い愛で縛りつけて
「あれ、河合ちゃん出るの?!」
「あ、うん。なんかそんな流れに」
「うそー、応援するからね! 頑張って!」
通りかかる生徒が、笑顔を向けてすれ違っていく。
田口さんも出ていて事務長も許可しているなら、頼まれたら断る理由もない。
こうなったら仕事の一環だと思って全力で頑張るしかないか。
もちろん、翌日に響かない程度にだけど。
そんな気持ちで臨んだバスケの試合相手は、桜田先生のクラスが相手の第二試合。
「河合ちゃん!!」
高校時代バスケ部だったってだけレギュラーにされちゃったけど。
自慢じゃないけど、足もそれなりに早いし、何よりシュートの成功率を言えば高校の頃だって部員の中で一番だった。
ただ、ドリブルが下手っていう致命傷があったから万年補欠だったけど。
シュートの感覚は、数年のブランクで多少失われつつあったけど、何回か練習で打ってみたら感覚もそれなりに掴めた。
高校時代、手じゃなく膝に意識を集中させろって延々と怒られながら、監督に1000本ノックならぬ1000本シュートをさせられた事を思い出す。
私にはその前に1000本ドリブルランをさせた方がよかったんじゃないかと、今は思うけれど。