甘い愛で縛りつけて


「恭ちゃんが好きだから……他の人に触って欲しくない。桜田先生にも、他の誰にも。
恭ちゃん、そういうの節操なさそうだけど……」
「触らねーよ」

笑いながら否定されて、私も少し笑みがこぼれる。

「こういうホテルも慣れてそうだけど……他の人と来て欲しくない」

白状するついでに言うと、恭ちゃんが笑う。
そして、もう来ないと言った。

慣れてそうって言った事は否定しないのかと思ったけれど、今更そんな事を言っても仕方ないと、言うのは止めた。
面白くないのは確かだけど。

「そんなくだらないやきもち焼いちゃうくらい、恭ちゃんが好きなの」

こんなに素直に告白するつもりなんかなかった。

隠さなくちゃいけないのに。
そうしなきゃ、恭ちゃんの立場を悪くしちゃうのに……止められなかった。

伝えたくて仕方のなかった気持ちが、恭ちゃんの声に促されて溢れ出して止まらなかった。

抱き締めたままの腕にまた少し力を込めた恭ちゃんが、はぁと深いため息をつく。
長い沈黙があって……そして。

「やっと手に入れた」

そう呟いた。
少し掠れても聞こえる恭ちゃんの声に、涙が溢れて……思いきり恭ちゃんを抱き締め返した。




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