甘い愛で縛りつけて
飲み会の帰り道。着任式の後。そして今。
田口さんに酔わされたのも、恭ちゃんが嘘をついたのも、頭痛薬も、全部偶然のハズだ。
だけど、考えてみれば、事務長はやけに強引だった気もするし……。
考えすぎなんだろうけど、事務長がいつもとは少し違う気がするだけに、なんだかもやもやしてスッキリしない。
そういえば。
『私が気にしていたのは、仕事面ではない。
君も分かっていただろう?』
飲み会の後、事務長がそんな事を言っていたけれど。
事務長は恭ちゃんの何を心配していたんだろう。
もしかして……。
「事務長って、恭ちゃんの素の顔を知ってるの?」
隠してる部分を知ってるからこそ、恭ちゃんを気にかけていたって意味なのかもしれない。
そう推測して聞いた私に、頭痛薬を手にした恭ちゃんは苦笑いをもらした。
「さぁ。話してて確信に触れた事はないけど。事務長、いつも穏やかな顔してるから、腹ん中で何考えてるかわからねぇし。
でも、なんとなく見透かされてる気はするな」