意地悪なキミに、スキをあげる。
もらった紅茶





**************



《あお》




特に用があるわけではない。



読みたい本があるわけでもない。




「……また来ちゃった…」



東図書館、と大きく書かれた白い建物の中に足を踏み入れた。



小さな子供からお年寄りまで、幅広い年齢層が使用する図書館。



人の匂いと、本の匂いが混ざり合う空間。



静かな図書館に入るのはこれで何回目だろう。



数えきれないほど通ってる。




「え、お前また来たのかよ」


「朝陽さんっ!」



図書館に入った途端、返却用のカートを持った朝日さんが通りかかった。



一番最初に目が合ったのが朝陽さんなんて幸せ!



「お前来すぎ…」


「何言ってるんですか〜?図書館は利用者があっての公共施設ですよ?」


「あーハイハイ」



聞き飽きた、とでも言うように、朝陽さんは奥の本棚に本を並べていく。




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