意地悪なキミに、スキをあげる。





裏向けて置く、って知ってたんだ…。



癖でいつも教科書を置くときは裏表紙の方をむけて置いちゃうんだよね…。



そんなことまで知っててくれたんだ。



嬉しすぎる…。



「まぁ差し入れってことで」


「あっありがとうございます…っ」



手の中にある缶の紅茶を、ギュッと握った。


なんかもったいなくて、飲めないよ…。



部屋に置いておきたいくらい。




『暗くなるから適当に帰れよ』

と言い残して、朝陽さんは自分の仕事に戻って行った。



朝陽さんの優しさはいつも突然やってくる。



だから全然免疫力がつかなくて、毎回ドキドキして…。


止まらないの。




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