意地悪なキミに、スキをあげる。
今日はたくさん嬉しいことがあったな。
やりかけだった最後の英作文を作って、帰る支度をした。
「朝陽さん、帰りますね」
「ん、じゃあな」
カウンターにいた朝陽さんの、適当な返事。
勝手に出て行けばいいのに、いつも朝陽さんに声をかけてから出て行く。
最後にもう一言だけ話したい…!
って思っちゃって。
きっと朝陽さんは、勝手に帰れよ、とでも思ってるんだろうけど…。
でも朝陽さんはそんなこと言わないから、それに甘えてる。
今日もかっこよかった朝陽さん。
焦げ茶色で、無造作に整えられた髪の毛は、もろあたしの好きな髪型で。
女子が羨むような濃くて長いまつげ。
オシャレすぎないユルめの私服に、ダサい図書館のエプロンでさえ着こなしちゃう。