君と過ごした100日間は。

雪菜の記憶



僕が転入してきて、3週間がたった。

10月の終わり頃になると、だんだん寒くなってきて、皆コートを着てくるようになった。

雪菜も、少し薄いけど、ピンクの可愛らしいコートを着ていた。


もちろん、3週間がたった今でも、雪菜と一緒に帰ってる。

たまに同じクラスの帰宅部に会うと、付き合ってるって誤解されるけど、それでも一緒に帰っていた。



「一緒に帰る?」って聞いたときは、本当に緊張した。

だって雪菜は僕のことを覚えていなかった。

ということは雪菜にとって僕は初対面の相手。

しかも転入して3日目なのにいきなり一緒に帰るだなんて、少し抵抗はあると思った。

でも雪菜は「いいよ」と言ってくれた。

それがすごく嬉しくて。

もし兄妹って知ってたら、絶対帰ってくれないと思うから、このときは、雪菜が覚えててくれてなくて良かったなってちょっと思ってた。



一緒に帰ってるからか、雪菜は色々なことを話してくれるようになった。

僕が転入してくる前のこと、クラスのこと、学校であったこと。

たまに相談とかしてきてくれたり。

そうゆうのがすごく嬉しかった。
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