キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
その時、ドアがコンコンとノックされた。

蘭さんが返事をすると、ドアを開けないまま執事さんが話し出す。



「そろそろ皆様がお帰りになる頃ですので、旦那様の代わりにご挨拶されに戻られた方がよろしいかと」

「……あぁ、わかってる」



蘭さんは私を見据えておもむろに身体を離し、そっと頭を撫でる。



「明日ゆっくり話そう。僕も君に聞いてもらいたいことがあるんだ」



穏やかな彼の声にいくらか私の気持ちも落ち着き、こくりと頷く。

それを見届けて部屋を出ていく蘭さんの背中は、なんだか少し小さく見えた。



一人になると罪悪感と寂しさが襲ってきて、頭から毛布を被ってギュッと目を閉じた。


謝らせたいわけじゃなかったのにな……でも止められなかった。

私は、蘭さんとちゃんと愛し合いたいだけなの──。








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