ニコイチ。

凪沙は顔を赤らめながら言った。
「竜之亮さん、もし良かったら、私と…。」
いつかの夢の台詞にそっくりだ。
「付き合って…ください…。ずっと…好きだったんです…。」
まさか、その後の台詞まで同じとは。
俺は自分の頬をつねってみた。痛い。夢じゃなかった。
「いつでもいいので、返事、待ってます。」
すると凪沙は俺に背を向けて歩きだしたが、再び俺の方に顔を向けた。
「本番、始まりますよ。」