ニコイチ。
キッチンから漂う、何とも言えない美味しそうな匂い。この匂いは…カレーだ。
「痛いっ!」
千華が小さく叫ぶ。
「大丈夫か!?」
俺は慌ててキッチンに小走り。そこにいた千華は、指を痛そうに押さえていた。どうやら、鍋に触って火傷してしまったらしい。
「大丈夫だよ、これくらい。気合いで直すから。」
千華が、何故か少し頼もしく見えた。
< 203 / 364 >

この作品をシェア

pagetop