大好きで大嫌い 《完》

*side kasumi

♡SIDE KASUMI♡



はー、びっくりした。


あんなに強引な人だとは思わなかった。


午後の授業も終わり帰えり支度をしてると机の上に影がかかった。


上を見ると、


「愁ちゃん?!
どうしたの?」


「別に。」


「そっか」


「帰るぞ。」


「え」


愁ちゃんは私の鞄を持ってスタスタと教室を歩き出す。


「ちょっと、愁ちゃん?
それ私の鞄!」


「知ってるよ、バカじゃねーんだから」


「え、」


意味わからない。


でも愁ちゃんとこんなに話したの久しぶりかも。


「ちょっとどこ行くの?
帰りはこっち・・・」


帰り道と反対の方向に歩く愁ちゃん。


鞄を持ってるから帰るに帰れない。


「遊びに行くぞ。」


「え。本当?」


「あー。」


嬉しい。


「どこ行くの?」


「知らね。」


知らないって・・・


街を少し歩いてるくと、小物屋さんを通りかかった。


「あ、ここ。
愁ちゃん、ここ入りたい。」


「いいよ、」


優しく微笑む、いつぶりだろこんな顔見るの?


胸が高鳴る。


でも・・妹どまり・・。


お店に入ると良い雰囲気のお店。


ハート形のネックレスを手に取り見つめる。


可愛いな。


でも・・凄い高い・・・


はー、今月のバイトのお給料まだ入ってないしw


渋々置いた。


それから、色々お店終わって、家に向かった。


「ちょっと、」

愁ちゃんが私の腕を引いて公園に入る。


「どうしたの?」


疲れたなら、もうちょっとで家に着くのに?


愁ちゃんの座ってるベンチに腰を掛ける。


「ん。」

小さい可愛らしいピンクの紙袋を渡される。


「え、何これ?」


「開ければ?」


何時もの冷たい愁ちゃんに戻ってる。


紙袋を丁寧に開けたら中に入ってたのはさっきいいなと思ったネックレスだった。


「愁ちゃん、これ・・」


「ん、欲しそうな顔してたから」


髪をくしゃっとさせる。


分かる、これをやる時は大体てれてる時。


「ありがとう、愁ちゃん。」


笑顔でお礼を言う。


「別に。」


そっぽを向かれちゃった。


「送る。」


「送るもなにも、家がすぐ近くじゃん」


意地悪を言って見た。


「あっそ。じゃ、先帰る。」


「え、いや。待って。」


思わず愁ちゃんの袖を掴む。


やっぱり愁ちゃんに意地悪が出来ないなー


「分かってるよ。」


今日始めての笑顔見たかも。


それから私達はたわいも無い会話をして帰った。


話して言っても私がほとんど喋ってた。

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