FACT!〜交わる赤〜
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「着いた。ここや。」


大森がシートベルトを外し、乱暴に車のドアを閉める。



七原もつられて、アタフタしながら車を降りた。





「え……」





高級住宅街を抜けた先にある、蔓に囲まれた、白色の大きな屋敷。




そんな屋敷の玄関と思われるところには、青色のプレートがプラプラとぶら下がっていた。


「ん……?」


七原が思わず駆け寄り、プレートを凝視する。




プレートには、走り書きのように"YOKOYAMA"と書かれてあった。

「よ、こ、や、ま……?」



七原が首を傾げる。




そんな七原を後ろで眺めていた大森がクスッと笑う。




「そんな不思議そうな顔しんくても…」





そういいながら、またクスクス笑う。




七原は恥ずかしくなり、頬を赤らめながら、俯いた。


「まぁ、とりあえず会お。」





大森がスタスタと、ドアの前に立ち、その大きな手で、ノックをした。






コンコンッ。
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