FACT!〜交わる赤〜


バンッ!!!





「ナナいるー!?」



いきなり扉を開けて、部屋に怒鳴りながら入ってきたのは大森信五だ。





大森は捜査一課の人間で、高い身長と、きりりと整った顔が印象的な上司だ。


七原は直接関わったことはないが、優しく、誠実な性格らしい。




現に初対面の七原のことを早速呼び名で呼んでいる。




「ふぁい?」




目がショボショボしながらも返事をする。



大森はずんずん七原のデスクにむかい、七原の胸ぐらを掴んだ。



「うわっ……」






「おめでとう!お前は今から捜査一課の一員や!」




大森は爽やかに七原を見つめる。



対する七原は、目を開き、キョトンとしている。





「は…はい?今何て…?」







「や、か、ら!捜査一課に昇進おめでとう!って言ってんねん!」






「え…えぇぇーー!!?」
< 4 / 25 >

この作品をシェア

pagetop