FACT!〜交わる赤〜
バンッ!!!
「ナナいるー!?」
いきなり扉を開けて、部屋に怒鳴りながら入ってきたのは大森信五だ。
大森は捜査一課の人間で、高い身長と、きりりと整った顔が印象的な上司だ。
七原は直接関わったことはないが、優しく、誠実な性格らしい。
現に初対面の七原のことを早速呼び名で呼んでいる。
「ふぁい?」
目がショボショボしながらも返事をする。
大森はずんずん七原のデスクにむかい、七原の胸ぐらを掴んだ。
「うわっ……」
「おめでとう!お前は今から捜査一課の一員や!」
大森は爽やかに七原を見つめる。
対する七原は、目を開き、キョトンとしている。
「は…はい?今何て…?」
「や、か、ら!捜査一課に昇進おめでとう!って言ってんねん!」
「え…えぇぇーー!!?」