【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
足早にロッカーから置き勉していた数学の教科書とノートをエナメルバックに詰め込み、いざ、帰宅!



……………ザァァァァ



「ウッソー!さっきまで晴れてたのに!通り雨とかイジメか!」



なんてタイミング。もうすぐ梅雨の季節が来るから仕方無いのか、これ。



当然、傘など持ち合わせていない俺は、仕事が偶然休みだった親父にお迎えのラブコールをして、部室の窓からぼんやり外を眺める。



バスケ部の部室からは、調度外のバスケットコートが見える位置。



雨のせいで窓ガラスが曇っていて、外はあまり良く見えないのだけれど。



「………ん?」



その悪い視界から、バスケットコートに人影があるのを、確認する。



いやいや、こんな天気の中、誰が使うのさ。しかも、時間夕方ですけど、お化け出んのには早くね?



「お化けなんてなーいさっお化けなんてうーそさっ!」



暇な俺は、好奇心も手伝い、窓ガラスをジャージの裾で拭き、外を確認。



バスケットコートには、細長いフォルムで、シュートを放つ影が、確かにある。



顔や形をきっちり認識出来ないけど、あの美しいフォームは、絶対見間違えない。



「秀吉、キャプテン?」



何故雨の中、あの冷静な秀吉キャプテンが、非常識にもシュート練習をしてるのか、とても疑問に感じた。



けど、それ以上に、高森のラーメン屋の発言で、胸騒ぎを覚える。
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