【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
『昨日のキャプテン直伝、壁ドン!』



『そうやそうや!追いかけろ!本棚有効活用!ゆっくんファイト!』



『ここで奪えないようならお前はリバウンドを制することも出来ないぞ、神楽木』



三人揃って携帯で即座に返信。それはすぐに既読になり、行雲先輩が立ち上がる。



この場にいない泰ちゃんからの、なんか可愛いキャラのチューのスタンプを確認し、俺達三人も後をつける。



そして、一番奥の本棚、そこに辿り着いた行雲先輩は小柄な女子を本棚と自分に閉じ込めるように、壁ドンをかました。



「よし、行け!行け!」



「ピカ先輩、キスシーンまで撮る気?」



無音カメラアプリを有効活用するピカ先輩は、この日一番にエメラルドグリーンの瞳をキラキラ輝かす。



「このやる気がもう少し勉強に傾いてくれたら有り難いのだが」



秀吉キャプテンのごもっともな呟きを聞きながら、こちらが歯が浮きそうな程甘いキスを、行雲先輩達は何度か交わした。



……ってか、爽やか過ぎるわ。歯ぶつかって騒いじゃう辺り、行雲先輩らしい。
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