【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

星の少ない前夜に

インターハイ本選前日。



決戦の地東京へ向かうために、俺達は熊本空港に集まった。



ベンチ入り十五人と由貴先輩は前乗りで今日、他の部員は明日、それぞれ東京へ入る。



昼には到着出来るよう、朝から飛行機に乗ってる訳だが…。



「おー!見て!富士山や!」



「ホントだぁ!ゆっくん富士山登ろうね、帰りに!」



「馬鹿、ディズニー行く時間なくなるやろ!」



いつもは朝練を眠そうにしているかわいこちゃんズは、現在ハイテンション。



「あん二人、隣同士にしたん、間違いやったばい」



隣に座る有ちん先輩は、あはは、と苦笑い。



座席は、相変わらず泰ちゃんは一人で二席使っていて、俺と有ちん先輩がその後ろ、更に俺達の後ろが秀吉キャプテンと由貴先輩。キャプテン達の通路を挟んだ隣が、かわいこちゃんズの配置。



「疲れてないか?少し、寝ろ。騒がしいあいつらはシメて黙らせてもいい」



「大丈夫、ありがとう。こんなとこでシメ技かけたらホントに死んじゃうけん、止めてあげて、ひ………キャプテン」



後ろで物騒な会話をしていて、思わずぶるり、と身震いする。



もしかわいこちゃんズのどちらかと相席してたら、きっと俺も騒いでた。



…………東京でシメ技を食らうことにならなくて良かった。あれだけはマジ勘弁。
< 369 / 521 >

この作品をシェア

pagetop