【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「びっくりした!お前、ナマケモノ属性のオトメンだったのに、バスケ始めたの?」



頭上にある段差から、フェンスに前のめりになり叫ぶ幹太。



「昔から足速かったもんなー!でもマジ驚いた!まさかもう、全国に来るなんて!」



「ああ、幹太も知ってるだろ!俺が親父と1on1やってたの!あれがきっかけ!」



俺もちょっとある距離から叫び返し、会話をする。



「小鳥遊、再会を喜ぶ気持ちも分かるが、今は敵だ。あまり関わるな」



「おっと、そうだった」



秀吉キャプテンの会話の制止に、俺はハッとして口を両手で抑える。



「ははっ!明日な!ちゃんと勝てよ!」



「わかってらー!!」



その様子に気付いた幹太は、くしゃっと笑うと足早に去っていった。



「明日の敵より今日の敵のことに集中だ」



「ウィッス」



そうだよな。横浜工業のことを考える前に、今日の花江高校に集中していかなきゃ。



「景気付けに、お前に勝たせて貰おうか」



「それ、俺が不景気だし。24勝23敗12分け、勝ちのリードは守りますから」



微かに口の右端をつり上げた秀吉キャプテンに、俺もニヤリと笑いながら、持っていたボールをドリブルし始めた。
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