【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
そして、運命の時がやって来る。
県大会の比ではない数の観客が、二階の席に入って来ていて、一階席には記者や、大学、実業団のスカウトマンなんかもいる。
そんな中、俺達はベンチで箱田先生の話を聞いていた。
今回の水高スタメンは
小鳥遊 椿 一年 PG 12番
十六夜 有馬 三年 SG 5番
御劔 曜 三年 SF 6番
広田 蓮司 三年 PF 8番
一宮 佳那汰 三年 C 13番
俺、ピカ先輩のスピードのあるオフェンスを駆使する選手をベストメンバーから置き、フルタイムで出る有ちん先輩の他に、ディフェンスを磨いた二軍の先輩達を置く形に。
「いいか、まず、第1クォーターは御劔を中心にどんどん点を稼ぐ。ガード二人はそのフォローに、残りの二人はディフェンスに特化するように!」
「「「「「はいっ!」」」」」
全国大会、というプレッシャーから、二軍の先輩方は緊張でガチガチだ。
そんな二人の肩を、秀吉キャプテンはがっちり抱く。
「最初の10分、相手のボールは全部落ちるものと考えて、スクリーンアウトだ。リバウンドは必ず取れ。…大丈夫だ。三年間頑張って来たんだ一緒に。出来る」
秀吉キャプテンの言葉の影響力は凄い。みるみるうちに、先輩方の目に、闘志がたぎるのが分かった。