【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
夜、ホテルの部屋。
俺と泰ちゃんは持参した宿題を進めていた。
今日は俺の苦手な現代文の宿題。出題の文章は小学生の青春もの。
「へぇ…懐かしかね。俺もそれやったなぁ」
お風呂に行っていたピカ先輩が戻ってきて、俺達の宿題を覗く。
「ピカ先輩宿題進んでんの?」
「えへへぇ、俺はラストスパートタイプやけん」
あー、最後の最後に秀吉キャプテンとか有ちん先輩とかに泣きつく感じな。
俺達の様子を頬杖をついて眺めているピカ先輩が、ふと、優しい声で呟く。
「なんか、こうやって一年生の宿題ば懐かしかぁって思うごつなったんやなぁ俺。あっという間やわ」
「何?じじくさ。寂しいとか?」
「んー…正直、寂しかね。ここまでがこぎゃんあっという間に過ぎるてことは、今皆とバスケしよる時間も、すぐ終わるんかなって思うとさ」
そんなピカ先輩の言葉に、俺と泰ちゃんはシャーペンを握る手を止めた。