【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
インターハイ本選四日目にして、初めて泰ちゃんより大きなセンターの選手にあたった。



「あの8番、確かセネガルからの留学生やったねぇ」



ベンチで様子を見守る由貴先輩が呟く。



「え、ハーフはともかく、国籍違うのもありなの?」



「だってピカちゃんやてアメリカの高校に最近までおったとよ?向こうの人からすれば、ピカちゃんも国籍違うやん」



あ…そっか。そりゃそうだよな。



泰ちゃんより更に大きな身長を持つそいつがジャンプボールを奪うと、早速オルフェウス学園の連中が、走り出す。



「マッチアップゾーン!!」



俺はその状況に応じて声を飛ばす。



コート上の水高メンバーが動き、ゴール下のインサイドをゾーンディフェンスで固め、ボールを持った選手には、一番近くの行雲先輩がついた。



これなら、相手が全員がオフェンスに強くても、ゴール下からプレッシャーをかけつつミスを誘えるだろう。



昨日の試合を観るに、インサイドが強い学校ではあるが、アウトサイドは無く、ゾーンで充分対応出来る。



「うらァ!!」



行雲先輩の上を狙ってあのデカイ8番にパスを回そうとするも、跳躍力のある行雲先輩のテリトリー。



それは弾かれ、代わりに有ちん先輩が手元にボールを受けた。
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