あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
でも、わたし…………
何でこんなに安心できるんだろう……
端から見たら襲われているように見えるだろうに……
不安も戸惑いも、恐怖すら感じない。
何かの魔法に掛かったように。
!!!!!
首筋に触れられた所に鋭い痛みが走った。
な、に……これ…………?
「っ………ん……い…た……」
今まで出なかった声も、痛みに堪えきれずに思わず出た。
しゃべれる……?
「や……や……て………」
喉に意識を向けて、精一杯出した声がこれだ。
迫力も何もない。
だけど、男の人は、驚いたように顔をあげ、わたしを見た。
「お主……まだ、それほどの…………」
そう言うと、一瞬ニヤリとしたあと、左手の指をぱちんと鳴らした。
今度はなに………?