窒息寸前、1秒



やっと、担任の長いホームルームもおわり、放課後。



月曜日ってやっぱり長く感じる。



「花那。俺、部活だから先帰ってて?」



ユニホーム姿の隆弘。



「うん。分かった。」



じゃあな、って手を挙げて同じサッカー部の仲間のところに行く隆弘。




「さてと、帰るかな。」



宿題のない教科の教科書をロッカーにしまうため、廊下に出る。



「今日、永瀬先輩来てるらしいよ~。」



「へぇ。部活に顔だしてるの?」



「そうそう。見に行っちゃう?」



「いいね。」



ロッカーの前にいる私の後ろを通り抜けた、女子たちの会話。


上履きの色から言ってひとつ下の2年生だろう。


本当に、有名人なんだ…。



今通った子たちは、孝輔先輩と通学時期が被ってない筈なのに。



凄いな…。



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