意地っ張り
『いい加減、気づけよ』
「気づくことなんてない」
『ほんと、意地っ張りだな』
「悪かったわね」
『でもお前、俺が好きでしょうがねーって顔してるぞ』
「……っ」
勝ち誇ったようにフッと笑った
松本の顔が近づき唇を塞いだ。
初めて触れた松本の唇は
柔らかくて思考が持って
いかれそう。
軽くリップ音をだして
離れた唇。
恥ずかしくて松本の顔
なんてまともに見れや
しない。
そんな私をギュッと抱き
締めた松本が囁いた。
『俺、麻季が居ないと寝つき悪くて困るんだよなぁ』
「ぬいぐるみでも抱いてれば」
『バーカ。お前の匂いがないと落ち着かねーって意味だろ」
顔に熱が集まる。
きっと私の顔は真っ赤だろう。
今まで必死に恋心を
隠してきた私の気持ちも
知らないで松本は自分の
言いたい放題だ。
だけど、私の心臓は
これでもかってぐらい
反応していて完全に
松本に堕ちてしまった。
(優しくしてやるよ)
(ばか、…んっ)
(エロイ顔 )
END
