意地っ張り

もう、どうしてこの人は
私の考えてる事を見抜いて
くるのだろうか。





ほら、こんな話をし始めたから
松本の機嫌が悪くなってきてる。





『笠井、さっきからうるせーよ』





『なんでだよ。松本だって気になるだろ?』





『関係ねーし』





うん。そうだよね。
松本ならそう言うと思った。





だから松本には気心の知れた
ただの同期で居なくちゃいけないんだ。





それからは社内の恋話や
上司の愚痴で終始盛り上がった。





気持ちよく割り勘にして
居酒屋を出る。





すると笠井くんは、
おやすみと言って
あっさりと帰って行った。





2人きりになってしまうと
なんとなく会話が続かない。





私としたことが意識しすぎかも。





『飲み直すか?行くぞ』





「へ…?どこに?」





訳の解らない私は
松本によってタクシーに
押し込まれ連れ去られた。




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