イジワルな彼の甘い罠



「入社してから、いつも優しくてしっかりしてて……そんな唯川さんのことが好きでした。だからこの前の徹夜も、今回の出張もやろうと思ったんです」

「……八代くん、わかったから離して……」

「少しくらい、こっち向いてくださいよ」



押さえつける手は力強く、いくら拒もうとしてもびくともしない。



力、強い……。

細く見えていた体にもこんな力があることを知り、彼も異性なのだとようやく実感する。

本気の思いを伝えようとじっとこちらをみる、その目が少し、怖い。



「ねぇ、やめて……痛いからっ……」



思わず声をあげる私に、それを塞ぐように彼は唇を重ねた。



「んっ……!」



いつもと違うその唇の感触は、私を必死に求めているのがわかる。



きっと彼は、ここまでするくらい私を好きでいてくれている。

なのに思い浮かぶのは、いつものあの、冷たい瞳ばかり。



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