赤ずきんは狼と恋に落ちる





千景さんがお風呂から上がってきた時にはもう、逃げようがなかった。






ソファーに座っていた私の後ろから、ふわりとシャンプーの香り。



さっきよりも温かい体温に包まれて、私も熱くなってしまう。



首筋にキスを一つ落とされ、ピクンと跳ねらせた私を抱きしめて、





「りこはどこでしたい?俺はこのままここでやってもええんやけど」




なんて、意地悪く言う。







「わ……私の、部屋でお願いします……!」




そう言うが早いか、軽々と抱き抱えられて、そのまま私の部屋へ連れて行かれた。



< 121 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop