赤ずきんは狼と恋に落ちる





優しくベッドに下ろされた途端に、キス。



まるで食べられているみたいなキスとは対照的に、頬、肩、腰へ滑り落ちていく手は、割れ物を扱っているみたいに優しい。




耐えないと、何もかもが溢れてしまいそうだ。



僅かに離れた唇に、名残惜しさを感じつつ、その間に乱れた呼吸を整える。





「りこ」





さっきまでの余裕綽々な声色とは裏腹に、苦しくて、どこか切なげな響き。


目が合うと、どちらからともなく唇を合わせる。





「……っ、はぁ………」






零れないようにしても、艶っぽい息は出ていくばかり。


そんな私に、満足げに笑う千景さんが目に映った。




彼はプツン、プツンと焦らすようにパジャマのボタンを外していく。


最後の一つまで外し終わると、左肩に顔を埋めて、そこを甘噛み。



肌を滑る手は、いつの間にか背中に回っており、プツ、と胸元の締め付けが緩んだ。



柔らかく包み込まれ、ますます熱く、固くなる身体。





「ぁ、ん……」





とうとう漏らしてしまった声を隠そうと、口元に手を持っていく。



すると、すぐに手首を掴まれ「ダメ」と言われる。




「声、我慢せんといて。りこの声、聴きたいんやから」




戻ってきた余裕の表情と共に、焦らすように触っていた手は、だんだんと私を昂らせていき。



甘い痺れが、全身を支配していく。



丁寧な口付けと一緒にやってくるのは、ピンポイントを攻める指先。




「っや、……千景さ……」



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