赤ずきんは狼と恋に落ちる
「ちほ、私ちょっと用事が出来たから、今から行くね」
私の部屋に居るちほに一声かけ、ベッドのそばにあるバッグを取る。
ベッドに寝転んでいるちほは、こちらをチラリと見ると、
「私も行っていい?」
と訊いてきた。
ちほにコソコソするようで悪いのだが、これは言えない。
「すぐに戻ってくるから」
「分かった……」
ごろりと転がり、私に背を向けるちほ。
本当は、言わないといけないんだろうけど、今は無理かもしれない。
私が、まだまだ考えがまとまっていないし、千景さんとは妙に距離が空いてしまっているからだ。
私が、はっきりしないと。
いつまでも優柔不断なままで居ると、周りに迷惑をかけることになる。
「じゃあ、行ってくるね」
今から何を言われても。
平気なフリをしなきゃ。