だんご虫ヒーロー。
するとまたいきなり綾女は私から離れた。
でも次はもう満面の笑みだった。
「…ほら、今日会いに行くんでしょ?
早く行って来なよ!会うの久しぶりなんだし」
あ、そうだった。
追試が無事に終わったから、今日は会う約束をしてたんだ。
半年振りかな?会うのは。
月に1、2度会う約束だったのに、色々あって半年も会ってなかった。
久し振りに会えるんだ、そう思うだけで顔が赤くなる。
そんな私を見て、綾女に笑われた。
「いいですね〜、幸せオーラ出まくってて」
早く行けとでも言うように、綾女は私の背中を軽く押した。
いつもの綾女だ。
よかった、思ってたよりも大丈夫みたい。
私はふっと綾女に笑うと、綾女に手を振って教室を出た。
私は楽しみなことに浮かれてたせいで気付けなかった。
綾女が大丈夫な訳ないこと。
そして私が教室を出た後に、悲しそうな苦しそうな表情をしてたことなんて。