だんご虫ヒーロー。
「…ヘぇー、あの日の放課後そんなことがあったんだー」
数日前のことを綾女に話した。
本当はしつこく聞かれたから仕方なく。
でも話した気がしたのに話してなかったのが真実だった。
「…それで李は芹田先輩とムフフな関係になったんだぁ!」
「…ムフフってなに?別にそんな関係じゃないし。
あんな先輩、名前すら覚えてないほど嫌いだから」
ほんとにその通り。
まだ私はチャラ男先輩の名前を覚えてない。
今さら覚える気なんてないけど。
「えー、そうなのー?」なんて言いながら綾女は私と先輩の関係を怪しんでる。
綾女かっこいいって言ってたからな。
もしかして狙ってたとか?
「もし綾女があの人に告白するのなら、私は応援するから。そうするほど私はあの人に興味ないよ」
本当は親友の彼氏がチャラ男先輩というのは許せないけど、綾女が好きになったのなら素直に応援したい。
そういう言うと綾女は「李、優しい~!」と言って抱きついてきた。
あ、暑苦しい朝から。