だんご虫ヒーロー。
14話 大切な約束



週末。



武井先輩達とのいざこざがあって、それから夕里にそのことを話した。



夕里は私の話を聞いてるだけで、これといったことは言ってこなかった。



まるで他のことを考えてるみたいだった。



それから週末になって、夕里が私の親に改めて挨拶をしたいと急に言い出した。



なんでかなって思ったら、今日は夕里と付き合ってから半年記念日だった。



もうそんなに経つんだ。
にしても両親に挨拶だなんて早すぎじゃないかな?



なんだか変に緊張してしまう。



空を見上げながらブランコをこぐ。
またいつものように私の家の近くの公園で待ち合わせ。



「……李」



名前を呼ばれてそっちを向くと、夕里が微笑みながら歩いてきた。



ブランコから降りるといつものように夕里は両手を広げた。



そしていつものように私は夕里に抱きつく。



「…ごめんね、遅くなって。結構待ったでしょ?」


「…大丈夫。夕里こそ勉強大変なのに大丈夫だった?」



夕里を見上げると、夕里はニコッと笑って私の頭を優しく撫でた。



最近やっと敬語を外して夕里と話せるようになったから、どうせ敬語がなくなってよく出来ましたとでも思ってるんだろう。


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