だんご虫ヒーロー。



「…北村さん、その噂のせいで友達いなくなって……
よく1人で歩いてるとこを見るよ…」



綾女は眉間にシワを寄せて俯いた。



誰かを頼っていい事をするのは、全然構わない。



でも誰かを頼って、人を傷つけるのは許せない。



フツフツと込み上げてくる、苛立ち。



生きてきた中で一番怒ってるかもしれない。



でも今はこのことより、孤独になってしまった北村さんを助けないと。



人にとって一番嫌なものは、孤独。



孤独がいつもとは違う考えを生み出してしまう。



私はいきなり椅子から立ち上がると、椅子の音にビクッと驚いた斎賀くんは私を見上げた。


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