だんご虫ヒーロー。
「…斎賀くん、北村さんの家知ってるよね?そこまで案内して欲しい」
今は北村さんと話がしたい。
私をしばらく見つめてから、斎賀くんはコクリと頷いてベッドから出た。
ガタッ
私よりも大きな音をたてて、隣の綾女が立ち上がった。
「……私も行く」
「え、綾女?」
綾女は来ないと思ってたから、驚いた。
綾女はすごく震えている。
でも目つきはすごく強気。
ケジメをつけたいんだね?
私の口から何とでも綾女のことを北村さんに言うことが出来る。
でも私が言ったんじゃ、綾女の気持ちは救われない。
言いたいことがあるなら、自分の口から言わないとケジメはつけられない。
「……北村さんに逆エビ固めはやめてね?」
一応忠告しといた。
こうして私と綾女、そして斎賀くんは北村さんの元へと向かった。