ONLY YOU~年の差結婚の秘密~
「…敦司はどこまでも真面目ね…不真面目な佑介を少しは見習いなさい…」



「…それは私の持って生まれた性格だ…」




私は伊集院家に縛られて生きていたーーー・・・

それはこの家の家督を継ぐ長男としての私に課せられた宿命だと思った。



自由に伸び伸びと生きる佑介たちを羨ましいと思うキモチもある。



「混乱させて悪かったわ…でも、私として敦司に対する想いにけじめを付けたかったの…私…佑介と真剣に交際しようと思う…」



「円…」



「…私…帰るね…差し入れの缶コーヒーは敦司にあげる」



円は私を残して行ってしまった。



「けじめか…」


私は円が差し入れに残した缶コーヒーを一口飲んだ。


ブラックコーヒーの苦みが口内に広がった。





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