ONLY YOU~年の差結婚の秘密~
ぼんやりと歩いていて人の声も周囲の喧騒も…遠めに聞こえていた。


電話越しに円の声を訊いても…曖昧で…



そんな私の前に美岬が現れた。




彼女の存在が私のクリアな現実に引き戻してくれた。




「…敦司にしては…ぼんやりしていたけど…何かあったの?」



「いや…」



美岬は同じソファーに座り…温かいコーヒーを啜る。


私も誤魔化し…コーヒーを啜った。



濃厚な深みのある苦みが口内に広がり…頭の霞みも消し去っていく。







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