侍先生!
…そっか、皐月と和也くんには、言ってなかったっけ。
てゆうか、誰にも言ってないんだけど。


「一目惚れなの」


私がそう言うと、和也くんは拍手した。


…なんで、拍手?


「とうとう、まいちゃんにも春が来たか! おめでとう! お兄さんは嬉しいよ!」


…お兄さん?和也くんは、いつから私のおにいちゃんになったんだろう。


「でも、まい。 先生との恋なんて、辛いと思うよ?」


「…ですよね」


私は、シュン、と、肩を落とした。


「でも、ビビッ! て、きたの。 これは、運命なんだと思うの」


こんな感覚、はじめてで。


恋なんて、今までした事なかったけど、この感覚が、恋なんだって、やっと、分かったの。


「先生の姿を見るだけで、ドキドキして、ワクワクして。 先生と話せた日は、夜寝る前、今日は良い日だったなって思えるんだ」


「それで…運命?」


「うん!」


「マブシーよ、まいちゃん」


和也くんが、眩しい振りをして、目を手でかくしたりしている。
そんな和也くんを放って、皐月が私の肩をポン、と叩いた。


「私は、応援するからね」


「俺もだよ」


二人共…ありがとう。
私はなんだか嬉しくなった。
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