侍先生!
やみくもにカツオを探す。
同じ階の突き当たりに、カツオはいた。


「カツオ!」


叫んではいたものの、女の子に囲まれていた。


どうしよう、とオロオロしていたら、カツオが女の子に手を振って、私の腕を引っ張った。


人気の無い場所に移動して、私とカツオは沈黙する。


「あ、あの・・・」


沈黙をやぶろうと、声を出す。


「別に、返事は聞くつもりはねーけど」


「へ?」


「決まってんだろ? もう」


「う、うん」


「先生が好きだって」


「うん。 私は…先生が好き」


またしばらく沈黙。
カツオは髪の毛をクシャクシャとかいて、私を見た。


「俺は、お前がどいつを好きでも…ずっと好きだし」


少し頬を赤らめて、カツオは言った。


「あ、ありがとう…」


「気持ち悪ぃな」


「き、気持ち悪いって何よ!」


「そのまんまの意味だけど?」


む、むかつく!
こっちが真剣にお礼言ってんのにー!
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