侍先生!
「いつも通り、仲良くしてくれたら、それでいいよ」


「…うん」


カツオは、いつものように、ニカッと笑った。
その笑顔に安心して、私は先生のもとに走って行った。


先生は、おばけ屋敷の前で待っていた。


「侍先生!」


「倖田だっつーの」



少し不機嫌そうに、そう呟いた先生。
今、ここには人がいなくて、私と先生だけ。



「私、侍先生が好き!」


「な、なんだよ。 イキナリ」


「って、カツオに言いました」


「別に、報告しなくていいけど」


先生はそう言ってスタスタ歩いていった。


もしかして、先生が好きとか、言わない方が良かったのかな?
腕を組んで考えてると、先生が足を止めた。


「本当は、気になってた」


「なにを?」


先生は振り返って、私を見る。


「お前が、森本にどう返事するのかって」


先生の顔は、真っ赤だった。
片手で少し隠してるけど、耳まで真っ赤なのであんまり意味は無い。


「気になってた? ほんとに?」


先生は頷いて、顔をそらした。


「俺の事、好きって言ってくれて…嬉しかった」


それを聞いて、私まで顔を真っ赤にしていた。
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