恋花火 ~恋は甘く切ない~
「妃紗ちゃん、帰りにクレープ食べに行かない?」
いつも通りの日常。
いつも通りの放課後。
今日は丹後くんが欠席だから、きっと璃香さんは気をつかってくれたんだろう。
「妃紗はいいけど、神谷くんは?」
「あー、なんかアイツね、バイトを始めたらしくて」
へぇー……。
神谷くんがバイトねぇ。
それって、クリスマスが近いから?
多分そうだよね。
あたしも今年は丹後くんと過ごせるのかな。
いや、過ごせるよね。
楽しみだなぁ。
「そーいえばもうすぐクリスマスだしねっ!」
あたし達はクリスマスの話をしながら、クレープ屋まで歩いた。
クレープ屋まで来て、お互い好きなクレープを頼んで近くのベンチに座って食べる。
「クリスマスの次はバレンタインだし、楽しみがいっぱいだね!」
璃香さんはいつもよりもワクワクしていて何だか可愛い。
「彼氏がいるって、幸せだよねぇ〜」
当たり前のように、この1年過ごしてきたけど。
一年前までは丹後くんはまだ都ちゃんと付き合ってたんだよね。
それから丹後くんがあたしと付き合うようになって……。
「ほんとね!そういえばね〜……」
それから、あたし達は時間を忘れてお喋りをしていた。