恋花火 ~恋は甘く切ない~
「で、昨日何があったの?」
1限目の開始のチャイムが鳴って少しした頃、本題に入った。
あたしは昨日の出来事をポツポツと璃香さんに話し出した。
璃香さんはあたしの話を黙って聞いてくれた。
「その手紙には何て書いてあったの?」
「それが……まだ読んでないの」
あたしがそう言うと、璃香さんはとても驚いた顔をした。
「何でよ?それを見なきゃ何もわからないじゃない」
確かに、その通りだと思う。
あたしは丹後くんのことが知りたくて、サキの家にまで行ったのに。
それなのに丹後くんからの手紙を読まないなんて……。
あたしの行動は矛盾してる。
「でも……何か怖くて」
真実を知りたい……けど、やっぱり怖い。
「もう!妃紗はいつまでたっても変わんないんだから」
璃香さんは呆れたように言うけど、それはあたしのことを心配してくれているだけってわかるから。