Sweet * 1LDK
あぁ、やっぱり、あたしもう郁未くんにはいらないんだ。
悔しい。
苦しい。
むかつく。
突然彼女のいる部屋を男の人に貸したりして。
それを彼女に言いもしないし、悪びれた様子もなくって。
なによりそんなことされてまで、あたしはまだ郁未くんが好き。
悔しい。なんで彼なんだろう。
どうしてあたしはこんなに郁未くんが好きなんだろう。
帰ってきてよ…。
***
**
*
バイトを終えて、家に帰ると、あたしはそのままソファに倒れ込んだ。
電気もつけずに、ただ茫然と暗闇を見つめる。
鍵、しめてないや。
まいっか。どうせアイツが帰ってくる。
疲れてるはずなのに、頭は変にさえていた。
もうダメなのかな。
もう前みたいにはなれないのかな。
一緒にこの部屋でご飯を食べて、笑って。
色んなところに遊びに行って。
もうできないのかな。
幾らなんでも早すぎるよ。
あっという間に終わっちゃうんだ。