Dear HERO[実話]



「帰り大丈夫?何か心配になってきた…」



壱春は助手席に座る浴衣姿の私を心配そうに見ていた。


ここからまた40分、車を走らせて帰る。

外にはたくさんの人。

祭り来ている人の年齢は様々で…

その中にはここぞとばかりに目立とうとはしゃぐ若い人やガラの悪い人も居る。


そんなこともあって壱春は心配してくれたんだと思う。




「ん?大丈夫だよ!」



そんな壱春にニッコリと微笑み返した。



心配してくれることが…

気に留めてくれることが…


嬉しくてそれだけで心が満たされたんだ。



でも、このときはまだ壱春の本当の性格を分かっていなかった。

ただ、久しぶりに感じた恋心に浸っていた…

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