Dear HERO[実話]
「違う!それは違う!」
必死に叫ぶ私は、気付けば龍斗の腕を掴んでいた。
その手を放そうとはしない。
紫の龍が刻まれた龍斗の左腕を私はしっかりと掴んでいた。
「違うから……」
信じて欲しい…
信じて…
龍斗の目に訴えかける。
「違う……」
私の真剣な目に龍斗は静かに頷いた。
「わかった……」
そう言って頭をポンポンと2回叩くと優しく微笑む。
「ちゃんと家に帰れよ……」
そう言う龍斗の体は震えていた。
私は忘れていたんだ。
3月の風はひんやりと冷たかったこと…