Dear HERO[実話]
いつから崩れ始めたのだろう。
考えられるのはやっぱり3年前のあの日……
あの日の些細な出来事がこの日を生んでしまったんだ。
あのとき私にほんの少しの勇気があったら…
今、龍ちゃんの隣に居るのは私だったのかな。
後悔してもどうにもならないことは分かっている。
それでも理想を固めるしかなかった。
そうすることでしか自分を保てなかった。
ベッドに入ると頬を伝う涙…。
声を出して泣いても雨の音で消されていく。
暗闇の中、一人で聞く雨の音は怖くて…
心の中まで雨が沁みてくる。
ねぇ…冷たいよ……
…寒いよ………
龍ちゃんが他の人のものになってしまったなんて考えたくない。