Dear HERO[実話]
ドライブをしながら龍斗は助手席に顔を向けた。
「ハクの散歩一緒に行く?」
ハクとは龍斗が実家で飼っているミニチュアダックスフント。
写真でだけは見たことがある龍斗の愛犬。
その写真は龍斗が初めて私に送ってくれた写真だった。
「リトさんの写メがほしい!」
そう言う私に龍斗はハクと一緒に写る写真を送ってきたんだ。
「行く!」
迷うことなく即答していた。
「じゃあ連れてくる♪」
そう言って龍斗は実家からハクを連れてきた。
元々動物好きな私は好きな人と一緒に犬の散歩をするのが憧れでもあった。
ハクを撫でる龍斗の姿を見るだけで心は温かくなる。
通りを歩く人、車を運転する人。
その人たちから見て一緒に散歩をする私たちは恋人同士に見えるのかな…
そんなことを考えていた。