心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
カナタの部屋は、ほんとーに地味でシンプルだ。



家具は全部、白か黒か紺で統一されてて、そもそも家具っていっても机と本棚とこのテーブルと、あとはベッドしかない。




ものすごく整頓されてて、一糸乱れぬ、とはこのことですね。






その簡潔な部屋の真ん中で、微動だにせす読書に没頭するカナタ。






夕焼けのオレンジ色を含んだ陽光が、窓から差し込んでくる。




今日は湿気が少ないから、爽やかな風がレースカーテンを揺らしてるのも、すごくいい感じ。




あー、なんか、居心地いいなぁ。






あたしは窓から視線を移し、今度は何気なく、ぼーっとカナタの顔を見つめる。




黙って大人しくしてる顔を見てると、入学当初に皆が騒いでたのも、なんとなく分かるよね。




もちろん………性格が知れ渡るにつれ、誰一人として騒がなくなったけど。




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