やさしい手のひら・中編【完結】
「じゃ、次こそデートしような」

「えっ?」

「何でもしてくれるんだろ?」

「で、出来る範囲って言ったじゃん」

「デートぐらい簡単だろ」

「考えておくよ」

「今、返事ちょうだい」

「キャッー」

私の後ろから抱きついてきて、逃げようとしても力いっぱい抱き締められているため逃げられない

「もぉ、わかったから離してー」

急に離されて私はバランスを崩した

「今、わかったって言ったよな?」

「・・・」

「言ったよな?」

「言いました」

半強制的に返事をさせられてしまった

「よーし、飯食うぞ」

新くんは意地悪そうな顔をして私を見て笑った

私は立ち上がりご飯の準備をして、2人で「いただきます」をして朝食を食べた

「お前料理できるんだな」

「またバカにしてる?」

「うまい」

ニコニコしながらご飯を食べて、おかわりもしてくれた。私はまだ食欲もなく少しだけ食べて新くんが食べているのを見ていた

「もう食わないの?」

「うん。まだ食欲ないかな・・・」

「じゃ、俺食べるわ」

私のおかずも持っていき、全部食べてしまった

「ごちそうさま。お前いい奥さんになれるな」

「そうかな」

照れ臭かったので私は下を向いた

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