やさしい手のひら・中編【完結】
「誰からかな?」

優香がニヤけながら私に言った

「優香の想像している人だよ」

「マジ?なんだってさ」

「ここに迎えに来るって」

「ほんと?」

「うん」

「私も一緒に待っててもいい?見たら帰るから」

「うん」

由里はガッツポーズをして喜んでいた

あと2時間。私はなんだか落ち着きがなく、ソワソワしていた

「亜美帰ろう」

私より優香が張り切っていて、早くと私を急かし、教室をでて門まで歩いていた

「亜美、あそこに高級車停まってるけど」

「どこ?」

うちの短大の前には数台の車が止まっていた。みんな彼女を待っているみたいだった

「まだ来てないのかもね」

「絶対あれだよ」

優香が言った車の窓が開き

「亜美」

帽子を深くかぶった健太が私を呼んだ

「ほら、あの車じゃん。亜美、私帰るね!明日話聞かせてね」

「うん、明日ね」

お互い手を振り別れて、私は健太の車に近寄った

「乗って」

外車なので右側に乗った。こんな車に乗ったことがなく、私は珍しそうに周りを見ていた

「なんか気になる?」

「なんか高級すぎてびっくりかな。免許取ったんだね」

「こっちに来てすぐ取ったんだ」

「そうなんだ」

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